about

設立趣旨

 情報通信技術の発達と、交通インフラの充実により、世界はいまだかつてなき「地球一丸化社会」を迎えました。人や資本や情報は、国と地域を越えて広がり、地球全体を1つの社会と捉える世界観が、真に意味を持つ時代の扉が開かれたと言えます。

 しかし、「人類全体が、等しく豊かで幸せな生活を享受できる環境」とまでは、およそ至らぬ状況であることは、誰もが深く知るところです。

 開発途上にある地域や地方。貧困や劣悪な教育環境下で育つ子供たち。インフラの遅れに苦しむ人々。不慮の災害や、戦乱・虐殺の犠牲者たち……。繁栄と幸福の享受を妨げられている人々が、今この時も増え続けているのが、私たちの住む現在の世界です。

 20世紀後半、日本は焦土から奇跡の発展を遂げ、世界で最も豊かな国の1つとなりました。血の滲むような先人の努力に拠ったことは勿論ですが、各国からの友好支援が、「世界からの善意」でありました。

 国が苦しみ、人が苦しんでいる時、差し伸べられる援助の手に、どれほど勇気づけられるものか、私たちは知っています。なにも、大規模な公的支援でなくても構いません。今後の世界においては、民間が自主的に行う草の根活動によって、世界各国の人々のニーズを汲み、機動的な援助協力を連続していく要素が、ますます重要となることでしょう。細やかな民間援助協力によって、心のふれあいや交流を深めていくこと。それこそが、地球規模の問題が山積する現代社会において、繁栄と平和の礎を築く一助となるものと確信する次第です。

 たとえば、政府援助の届かぬ分野の支援や、次代を担う若者たちの育成。また民間ならではの先進的試みや、分野横断的な協力体制の構築による福祉……。国家や企業とは異なる、国内外における民間からの社会貢献を、国籍や分野を越えて集う多くの市民と情報を共有・公開し、共に力を合わせて実現していくために、私たちは、特定非営利活動法人という形で、活動の一歩を踏み出すことを志しました。

 世界の人々がみな等しく、経済的・社会的・文化的その他全ての面において、平和に、豊かに、幸せに暮らせる社会の実現を目指し、以て広く公益の増進に寄与すること。それが、当機構設立の目的であり、願いであるのです。

特定非営利活動法人世界開発協力機構
理事長 井上康道